燻ってた火が

ふたたび熱く、熱く燃え上がってきた。

再会

大学1年の時に告白してふられた人に再会した。
ふられた後もバイト先が近いので、ちょくちょく顔も合わしたし
世間話もした。年は一つ上で、彼女はもう社会人。
バイトを辞めた半年以上前から会っていなかったのだが、
今日、バイト先に買い物に来ていた。


ふられた辛さから逃避する為、彼女を嫌いになろうとした。
もう嫌いになったと思っていた。そう思いたかった。
しかし今日偶然再会した彼女は告白した時よりも、また
最後に会った時よりも、ずっとずっと綺麗だった・・・。
学生から社会人になって、半年以上会わなくなって、その間に
彼女はずっとずっと綺麗になっていた。なのに私は何も変わっていない。
そんな彼女を私はどうしても嫌いになれない事に気づいた。


何気ない世間話などを2分くらいした。
その間、自分は彼女の前でどんな表情を浮かべていたのだろう。
話してる途中、別れた後、自分はどんな表情だったのだろう。
そして、いったいどんな気持ちだったのだろう。今ではそれすら解らない。
そして彼女のことを思うと涙がこぼれていた。
届かない彼女を嫌いにもなれず、かと言って、手に入れることもできない。
このやり場のない気持ちはどうなるのだろう。


それを遠くで見てた事情を知ってる友達が、「彼女と鍋をしよう」と
話を持ちかけてきた。べつに友達として鍋食べてそしてまた話をすればいい、
と持ちかけてきた。正直、戸惑いよりも嬉しさがこみ上げてきた。
彼女とまた話ができる。それだけで今は十分だ。


新しく自分が動き出した気がする。
たとえ高嶺の花でもそんなこと関係ない。
今はただ笑いたかった。泣きたかった。

その後

彼女を思って仕事してたら、包丁で指切った。バカ丸出し(ぉ


店は閉店した頃、急に火災警報機が鳴る、鳴る、けたたましく鳴る。
ぼやでした。
大事にいたらなくて良かった。